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1月14日(月)9:00A.M.

今日は成人式、朝から我家は忙しい。この日の為、娘は京都から帰省して来た。正月にちょっと、成人式にちょっと……。
国内のアクセスが便利になったせいか、簡単に帰って来ては消える。その度に小生のフトコロはさびしくなる。飛行機で往復、簡単にやってるけど、いくらだアーーーと云いたいけれど、ジーッと我慢の子、小生は家庭内の難民なのです。20才の時、小生は何をしてたろう。硬くなったおそなえ餅をガスバーナーを改良した、即席もち焼き機なるものであぶってバターと砂糖をつけて食っていたのではないか。医学部の学生達はマンションか自宅で優雅に暮らしているってのに、何で俺達は……って時代だよな。東工大が危ないと云うことで、体育会系の連中は総動員だった。たまに骨のある奴はいたが、"ケガをするとお父様にしかられるから…"医学部のほとんどの学生は学校を守ることはなかったと記憶している。
皆、どんな医者になっているかな?そんな訳で何かあると、昭大時代を思い出してしまう、「衣、食、住」特に「食」の恨みは恐ろしい。

このパキスタン行きを、思い立ってから免に角、知識をつけなければと読んだ本、「医は国境を越えて」「ペシャワールにて」「ダラエ・ヌールへの道。」中村哲著、「ドクター・サーブ」丸山直樹著、「緊急対応ハンドブック」UNHCR、すこし判って来ました。老眼のつらさ、痛い程、判りました。読めば読む程、中村医師の一本気が伝わって来ます。
今回2〜3週間の行程で何ができるか不安でもあります。

ペシャワール会への皆様へメッセージ……
いづれの図書も売り切れで仲々手に入りませんでした。心ある日本国民がこの著書を買って読んで共感を得たのです。素晴らしいお医者様です。そして、彼を支えた会員の皆様も素晴らしい人達だと思います。心より敬意を表する次第です。遅ればせながら、小生も日本の薬剤師として、微力ながら中村医師の参考文献をもとに、人助けを試みたいと思います。

13:30P.M.
仕事からこんな長い間、離れることは我人生中なかったと、又、異国の人達の救援なんて考える余裕もなかった。やり残しの仕事をしていかなければ……。忙しい、忙しい……。そんなに急回転する脳みそでもないので早くも脳みそが悲鳴をあげ、ストライキ寸前。どうしましょう。

やはり、目的地クエッタ「サマリーキャンプ」が気になる。水が気になり出した。
黒川の「御大」に電話してみた。「どんなもんでしょう」と。

  1. 普通、水脈は樹木の生え方で判別可能。
  2. 汚染源より20〜100m、離して掘削すること。
  3. 汚染源は北側を勧める。なぜか。人間の住む所は南側が常識なんです。暖かい所を人間は好むから。
  4. 排泄物など汚染源は、溝を掘るのがよいでしょう。しかし、余り深いのは考えものです。せいぜい180〜250cmまで。それ以上深いとメタンガスが発生するからです。
  5. 請け負い業者には気をつけなさい。成功報酬とするのが良いでしょう。
  6. 余り、大金を散らつかせると、殺されることがありますから、気をつけて下さい。

ありがとうございました。UNHCRの資料とドンピシャだった。資料を「うのみ」にしないのが薬剤師の性癖、マイッタ、マイッタ。
ちなみに、UNHCRの資料中、水の必要性について

  1. 1日の最低必要量
    生存上の最低必要量、/1人7リットル/day
    できるだけ早く15〜20リットル/day
    保険センター/患者1人あたり1日40〜60リットル
    給食センター/患者1人あたり1日20〜30リットル
    供給量が減ると個人と家庭の衛生状態が悪化し、寄生虫、真菌症、下痢性疾患の発病率が高くなる。
    難民80〜100人につき、最低1個手動ポンプ、水くみ用おけ1個を備えた井戸1本。
  2. 汚染(排泄物)
    トレンチ式トイレ深さ1.8〜2.5
    幅75〜90 100人当たり3.5mのみぞ

久保田カメラマンの話によると、60世帯、600人以上が住んでいるらしい……。
そうすると井戸3本「3.5m」のみぞ6本、「ため」。
生石灰が必要となる、勘定です。
大丈夫かナー、少し心配になって来ました。駆虫剤を供与して、一時的に良くなったとしても衛生面が劣化してるとすれば、又、もとのもくあみ……。
免に角、「水」なんです。それと食料です。
ウ〜ンです。

団長

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