『社長のボヤキ』
2004.4.11
国連開発計画のニューズレターを和訳しました。
DDRって日本が重要な任務を遂行しているんだけれど、肝心の日本人がほとんど知らないという現実があります。(そんなことはよくある話だが)
というわけで、DDRすなわちアフガニスタンにおける武装解除、復員、社会復帰というのはどんな経緯で始まり、日本はどんな役割を果たしているか、はたまたDDRの現状、そしてその仕組みをたいへんわかりやすく記したDDR Newsletterの2004年1月号(発刊第1号)を訳して皆さんにお読みいただこうというのが今回のぼやきの趣旨であります。(以上 社長の代わりに訳した武政からのメッセージでした)
<DDRって何の略語?>
Disarmament, Demobilization, Reintegration
武装解除、復員、社会復帰の略
<DDRプログラム発足の経緯>
アフガニスタン新生計画(ANBP)は国連開発計画(UNDP)の資金援助で行われているものだ。2003年にアフガン軍に代わって国防改革を担う目的でアフガン政府を支援するかたちで始まった。日本、英国、カナダが主な資金援助国である。DDRは武装解除、復員、社会復帰を根底にしている。UNAMA(国連アフガニスタン支援作戦)は政策ガイドを提供している。
<DDRの概要>
施行期間以来のできごと
2003年10月にDDRが発足。これはアフガニスタンにおける治安改革の中核である。
タリバン政権崩壊後のアフガン政府と国際社会が創設した基盤こそ、国連開発計画が開発したこのDDRプロセスである。
2003年からの3年間で10万人の兵士を武装解除、復員、社会復帰させるのが目標。
約4200万ドルの資金は日本、英国、カナダが拠出している。(この内日本は約3600万ドル)
第1のプロセスはうまくいこうがどうしようがアフガニスタンの人々にこのアフガニスタン新生計画の正当性を理解させること。
施行期間はクンドゥースやガルデス、カブールなどから選抜した兵士に焦点を当てた。
2003年10月24日カルザイ大統領の肝いりでクンドゥースからこの計画はスタートした。その後、ガルデス、カブールと広がっている。
クンドゥースでは1008人、ガルデスでは569人、カブールでは1788人の武器携行兵士が武装解除に応じた。
DDRを進める鍵は、戦車や大砲など重火器を含む武器回収ではなく、社会復帰に結びつけるために復員した兵士に生きる道筋をつけてあげることである。
その意味で兵士に職を提供したり、職業訓練を施したり、他の道筋を提供する実行パートナー(Implementing Partners)の役割は、DDR成功に欠かせないものである。
<社会復帰 6つの選択肢>
1. 地雷撤去
カーンアバード地区で12ヶ月のプログラムを実施。内容は地雷に関する啓発と地雷設置場所のマーキング。さらにこのプログラムには参加者への技術指導と言語教育も含まれている。
2. 農業
牛、羊、果樹、養蜂、漁業などの選択を含め、採種や肥料。それらを継続するための信用保証。
3. 職業訓練と雇用
新たな技術を習得し、建設土木や商業、裁縫、家具製造などの実習を通して職を定着させる。
4. 小規模ビジネスの機会
建設業やバザーの商店、製造業に対して契約チームを管理運営して、小規模ビジネスを興す。
5. 賃金労働
冬場に農業生産ができないときなど短期間の賃金労働を提供する。
6. 国軍あるいは警察
アフガン国軍や警察を志望する兵士は職業安定所に赴けるようにする。
「DDRフローチャート」
対訳票(上段が原文 下段が日本語訳)
DDR
FLOWCHART
|
MOD
OPERATION
GROUP |
Verification
|
MDU
|
Regional Office
|
DDRのフローチャート |
国防省司令部
|
検証
|
移動武装解除部隊
|
地域事務所
|
Civilian
|
Selection
of Individuals
and units
|
RVC
|
IOG
|
Disarmament Units decommissioned |
一般人
|
個人および
班単位の選定
|
地域検証委員会
|
国際監視グループ
|
武装解除部隊による解体
|
Demobilization
|
Selection
criteria To be
validated by
MOD/OMC-A |
National
Army Volunteer
Center
|
Military Selection Test
|
Deferred pass ( valid for up to 18 months)
|
復員
|
分類の選択
国防省/アフガニ
スタン軍事評議会により有効化
|
アフガン国防軍
ボランティア
センター
|
選抜テスト
|
証明書(18ヶ月まで有効)
|
For those who wish to join the ANA
|
Fail
|
KMTC
|
School/College( maximum time 18 months and as a civilian) |
Civilian Job / Training
|
アフガン国防軍入隊希望者へ
|
兵役不合格
|
カブール軍事教練所
|
学校/大学(最高18ヶ月と一般人)
|
一般人 職/訓練
|
略語>
MOD(アフガン国防省):IOG(国際監視グループ):MDU(移動武装解除部隊):ANA(アフガン国防軍):RVC(地域検証委員会):KMTC(カブール職業訓練所)
OMC-A(アフガニスタン軍事評議会)
出典:DDR Newsletterの2004年1月号(発刊第1号)
日本語訳(誤訳?) わざわざ岩手くんだりから来た武政文彦(薬剤師)
来年のことをいうと鬼が笑うが、よしいくぞー であります
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