社長のボヤキ 2002年9月

『社長のボヤキ』 2002年9月


『社長のボヤキ』
2002.9.23

昨日のボヤキは今日のボヤキ。
『義務』と『権利』の事を書いたが、早速、面白い質問があった。
「『義務』と『権利』の定義をどう考えるんですか?」と云うのだが・・・。
団塊の世代に生まれた我々、そして、戦中・戦前生まれの諸先輩の皆様には、「働かざる者食うべからず」ってのがどこか頭の片隅にあるんですナ。小生は、「働くこと」が義務と思っています。勿論、『知的』『肉体』問わず考えることの、いわゆる労働対価を得るための手段・・・。『食う』と云うことは、権利なんです・・・。現在、こんな事を云っても、何もしなくても、食うことには困らないんですが・・・。中々、これが現実と差異があるんで、難しい問題となっているんです。
例えば、20年前に遊んだスウェーデン、この国も『義務』と『権利』がうまくかみ合わなかった。「ヒマでしょうがないので働いている。」と答えた人が多かった。昨日(9/22)の読売新聞を見たら、ドイツの失業者の話があって、失業した方が、「働いていた時と比べて、子供達とコミュニケーションが出来るとか、有意義な時間がある」とか書いて居りました。社会保障が充実したので、子供の養育費とか雇用保険で月額、日本円にして20万円位支払われるとの事。「一体、誰が保障額を支払っていたんだろうな」と考えてしまう訳であります。
あまり長続きしない制度だと思うけど、義務と権利なんてこうなって来ると、定義づけるのが困難になって来るんです。「日本の国が、祖国が・・・」なんて云って良いのか、悪いのかすらも判らなくなって来てるんだが・・・。
しかし、良く書けないけど、小生の思考には、『義務』と『権利』はキッチリ整理されているんです。民間の企業、特に銀行を除いては、自分で法律を作ってリーダーシップを取って行かないと、すぐに「ドボン」です。もっとシンプルに表現するには、我社には『義務』と『権利』が存在していて、これを社員なりに理解して行動しないと、在籍するのはムリなんですナ。その辺で、勘弁願いたい。実に恐ろしい質問が来たと思っています。我家の子供達、特にカミさんに聞かれたら、何と答えるのでありましょうか。「お父さんは我々を作ったことにより義務が生じた。」とか云われた日には困ってしまうんだネ。そうなんだネ。気まぐれなんて言葉も止めた方が良い・・・。この『ボヤキ』を、家族が読まない事を祈るばかりですナ。「アフガン難民」ならぬ、「家庭内難民」であります故、困るわけであります。
こんな時は、他人の性にしてしまうのが一番です。そう、『UNHCR』の羽生さんの口ぐせ、「教育!教育!」・・・。デス。「日本の教育が悪い!」と云えばいいんですナ。
「学校の教師にならなくて良かった」とつくづく思います。一番悪いのは、『教師』ってことになるからナー!

無登録農薬問題も、一段落落ち着いた様で、新聞にもかけらもなくなって来た様です。農家の皆様、頑張って下さい。猜疑心の小生としては、もう一波乱起きる予感があります。そしたら、その時また書きます。
北朝鮮問題、大変な事になりました。お亡くなりの方々、そして御遺族の方々に心よりお悔やみ申し上げます。
まだ、戦後は終わっていない様な気がします。
世界平和が訪れることを祈るばかりです。

合掌。

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『社長のボヤキ』
2002.9. 21

 昨日から社内事件がボッパツしている。
不勉強と無知さから生ずる極く初歩的なミスである。ミスを管理する人間達がリスクマネージメントの準備がない為、小さなヒビより大きな穴となって終いには水ガメそのものが割れてしまう。それこそ大変である。クタクタになって、呑まない筈のウイスキーに手が伸びて、フーッと一息入れる。
我社の場合社長職は管理職を含めて社員からみると「土壇場の町田」なのである。
平和ボケしている社員達は小生に頼めばどうにかなると思っているらしい。少し若い頃は次々にそれこそ即座に快刀乱麻の判断を下し「社長とはこうあるべし」とやっていたんだが、どうもこの頃は決断をするのに少し時間がかかる様になってきたので怒りっぽくなって来たようだ。
東証一部上場のいわゆるゼネコンさん幹部と会合をともにしたその時の話が「近頃の若者達」であった。指示を出しても怒っても…。その場限り、際限なく同じ過ちをくり返すと云う。責任がなくなったといえばそれまでであるが、法規の問題でも兎に角、本を開く辞書を開く習慣、なぜ注意されたかメモを執ることが少なくなったからだろうと云う。
しまいには親が、直接注意した幹部にどなり込んで来るという。クビにでもするものなら監督所の立ち入りすらあり、それこそ大変でしたと述懐する。
いかにサラリーマンが気楽な稼業とは云え、最低限のことはしなければ…。しょうがないので、ダメな社員でもクビにはしないで新規に仕事のできる人間を雇いいれる。人件費は重んでくる。不景気になれば大変なんですと…。雇用問題にはシビアにならなければいけませんよと忠告していただいたのが4月頃…。
しかしその忠告してくれた幹部の「部」はつい最近、廃部通告を受け50数名全員解雇となってしまった。社員のための会社なのか、会社のための社員なのか今一度考える必要がありそうである。
永年勤めれば自然に給料が増えて行くシステムは、社会経済が常に成熟し、G・N・Pが伸長し続ける時のみ通用することであり、逆の場合は能力、結果主義で給料を結論づけることが重要になって来るかも知れない。国民の「生活」と「権利主義」を尊重する余り、「義務」は死語になってしまったような気がする。現在、諸外国と比較すると多くの「制限」「規則」が存在する日本…。パキスタンのイスラム教徒が訪日時、「ここはなぜ仏教国なんだ?」「イスラム理想国家そのものでしょう」といみじくも云ったその言葉を忘れることはできない。
又、書きます。

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『社長のボヤキ』
2002.9.20

この無登録農薬問題で、くどいほど『ナフサク』については、確定した方法もなく、断定方法もないことを書いて来たつもりである。さらに、人体には無害に近いことも述べて来た。しかしながら、県の指導及び社会が必要以上に騒ぎ立てたり、使用農家を悪人扱いするものであるから、とうとう農林水産省とは異なる『省』認可の分析屋さんが、ナフサクの検出実験を引き受け始めた様である。結果が出ることで、農家の騒ぎに拍車がかかって来たのである。
ナフサクを散布した、しない、隣から「もらい火」したとか、この手の農家同士の疑惑は孫・子の代まで続く可能性があるんです。
そこで、小生が協力委任を受けている板柳町より、町内の某農家のいわゆる『高速液体クロマトグラフィー』による分析結果と、その農家の農薬散布歴を参考に、デナポン(登録農薬)とナフサク(無登録農薬)の高速液体クロマトグラフィー検査下の類似性に対する若干の見解を述べることにより、現在、ナフサク高速液体クロマトグラフィー分析結果による騒ぎの混乱収拾と、鎮静化に少しでもお役に立てば幸いと考えました。

A) 板柳町某リンゴ農家の農薬散布歴です。

2002年

 

 

 

 

4/4

ベフラン   3700リットル

4/16



ユニックス
トクチオン
ニコチン   4300リットル

4/24



トップジン
アンビル
カスケード  4000リットル

5/6



クレフノン
スコア
カスケード  3600リットル

5/22



ブローダ
スプラサイド
クレフノン  4000リットル

6/6


プラウ
クレフノン  4700リットル

6/20



キノンドー
ダーズバン
アドマイヤー 5500リットル

7/3

アントラコール

7/17



パルノックス
スプラサイド
バロックフロアブル 5400リットル

7/25


キノンドー
モスピラン     5500リットル

8/6


ポリベリン
ダーズバン     5900リットル

8/18




デナポン ←←※
ファイブスター
コロマイト
アリエッティーC   6400リットル

9/3
予定

 

 

アリエッティーC
スス病       6500リットル

53000リットル
  6500リットル
------------
59500リットル





全散布量 
展着薬  

1000リットル当り
200cc加用
(150a)





B) A)リンゴ農家産『つがる』のナフサク分析測定結果報告書です。

分析結果報告書

平成14年9月19日

ご依頼分試料につき分析した結果、下記の通りであることを証明します

依頼者名

No.4 (つがる)

分析依頼日

2002/9/17

依頼 No.

028

試料採取日

――

測定方法

高速液体クロマトグラフ法

試料名

リンゴ(皮・果実)

試料預数

測定日

2002/9/18

測定物質名

1−ナフチル酢酸(計量法第107条の対象となる証明事業ではない)

濃度

0.34ppm

 

(農家主張)
ナフサクは絶対使用していない。ちょっと調査してみよう。→B)分析結果ではクロ。
どうなってるんだろう。
B)の表をもう一度よく見ていただきたい。
この結果について、測定物質名の項目(計量法第107条の対象となる証明事業でない)を注目していただきたい。解釈としては、「キチンと証明は出来ませんよ。入っている可能性があるかどうか、実験してみてあげたのですよ。」という事である。つまり、白でも黒でもなく、灰色と云うことです。

高速液体クロマトグラフィーに於ける類似性について




1−naphthaleneacetic acid ナフサク、ヒオモン
1−naphthyl methylcarbamate デナポン、ミクロデナポン




分子式及び構造式を比較すると、双方とも非常に類似した骨格を持つ薬剤であり、又、ナフタリン成分も容易に検出されることも推測される。
諸文献及び、各種検索を行ったが、ナフサクを特定出来得る確認方法は見つかっていない。
今回の高速液体クロマトグラフィーの分析結果は、あくまでも断定ではなく、灰色とした方が、妥当であろう。リンゴに対する散布歴を見ていただければ判る様に、デナポンが散布されていることに着眼した。
従って、今回の高速液体クロマトグラフィーのみで、ナフサク、デナポンを判別するのは非常に難しいと思われる。
さらに、双方とも高速液体クロマトグラフィー反応残効成分は、ナフタリン系の成分であると思われ、人体に対する作用は、ほぼ皆無に近いと思われた。

1−naphthaleneacetic acid ナフサク、ヒオモン

1−naphthyl methylcarbamate デナポン、ミクロデナポン
国立環境研究所ホームページ参照 http://w-chemdb.nies.go.jp/noyaku/34.htm
果樹研究所ホームページ参照  http://www.fruit.affrc.go.jp/kajunoheya/cyouseizai/ringothinning.html

 

青森県板柳町 無登録農薬残留検査協力委任者
樺ャ田アンド町田商会
薬剤師 町田容造
2002.20th.Sep

[結論]
やはりナフサク事件については、個人の勇気ある届出しか断定できないと思われました。
いたずらに騒ぎを大きくするのは、極力やめるべきでありましょう。いかに、無登録であるとは云え、人体に影響もなく、確認方法にも信憑性が低いのでありますから、ナフサクについてはもうこの辺でピリオドを打つべきであると思うのですが、いかがでしょうか。

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『社長のボヤキ』
2002.9.18

板柳町のリンゴ検体も全数検査のメドもついたことだし、一段落と云う所か。
消費地では、検査結果を出荷ならびに消費地に提示しないと、「売れない」「買わないと云っている。
どうするんでしょうネ。

今日はちょっと難しいことを書きます。

 

病院が出す処方せんを受けて薬剤師が薬を調剤し、患者に渡す保険薬局が本県で増加している。現在、490軒が青森社会保険事務局に登録している。患者の体調や事情に配慮して薬を調剤する薬剤師は、いわば”薬の見張り番”。薬局が身近な「まちかどの健康相談拠点」としての役割を果たしている。

 

医薬分業は、医療と調剤業務を分離する制度。医師と薬剤師の二重チェックにより、薬の同一成分の重複を防ぐなど、医薬品の適正使用と安全性向上を図るのが狙いだ。県薬剤師によると、2001年度に県内の保険薬局が受け付けた処方せんは879万枚で、受取率は53.2%。都道府県別で本県は8位と分業率は高い。薬局一軒が1ヵ月に扱う処方せん枚数は1590枚と、秋田県に次ぎ全国二位となっている。木村骼泄實長は「公立病院を中心に積極的に分業を推進しているのが奉功している。調剤を受ける薬局は患者さんが自由に選べるのが大原則。病院内に地区の保険薬局を紹介した案内を掲示し、希望する保険薬局にファックスで処方せんを送付できるよう、利便性にも配慮している」と話す。処方せん発行枚数の増加に伴い薬剤師不足が深刻な課題だ。本県には薬剤師が1556人いるが、人口10万人当たりでは105.4人で全国最下位。木村副会長は「薬事法では、1日に薬剤師一人が扱う処方せん枚数は40枚、歯科・耳鼻科関係は60枚までと決まっている。現状の処理能力は手いっぱいの状態」と説明する。県は2000年度から、本県出身の薬学生を中心にUターンを促す薬剤師確保対策事業に着手し、人材確保に努めている。医薬分業で薬剤師の役割は重要性を増しているが、一般的に浸透しているとは言い難い。薬局ではくすりののみ合わせや確認や服用履歴(薬歴)作成のほか、健康相談にも応じカウンセリング機能も担う。「自己の体調を管理する上で、自宅や職場近くにかかりつけ薬局を持つことは有効」と木村副会長。健康づくりの情報発信拠点として存在価値が高まりそうだ。

2002年9月15日 東奥日報より転載

薬剤師が不足しているという。現在の処理能力は手いっぱいの状態であると薬剤師会幹部が自ら嘆いてみせる。
  しからば問いたい。薬剤師会は、処方せん40枚あたり1人の薬剤師を置きなさいというお上の指導にどう応えてきたのか。すなおに「はいはい。ごもっともでございます」といってきたわけでないと祈るばかりである。
  そもそも処方せん何枚あたり薬剤師を何人置きなさい、という発想自体2つの問題を内在している。1つは、薬剤師が対応するのは患者であって処方せんではないという常識的なことがすっぽり抜け落ちていること。そしてもう1つは、プロフェッションが対応する数を自分で決められずに、行政的に規制されていることだ。開業医は、1人で1日あたり100人以上の患者を診てはいけないとされているだろうか。自分の診察能力と患者への責任を果たせば、それは医師自らが決めることを国民は暗黙の内に了解しているのだ。
  「医療の質を国民に担保するには、薬剤師が処理する処方せん枚数で規制する必要がある。そうでなければどんどん質が低下し、危害を加える怖れがある」という主張を百歩譲って受け入れたとしよう。それではあらためて問いたい。薬剤師が規定の処理枚数を超えて調剤したために、これまでどれだけの不利益を患者に加えてきたのだろうか。調剤過誤、患者への不適切な対応、その他もろもろの「危害」というのは枚数オーバーの調剤が原因と決め付けられる証拠をそろえられるのだろうか。
  「危害」の根本は、小生が思うに薬局を管理し、調剤業務を行う薬剤師そのものにプロフェッション意識が欠如していたせいだ。
  薬局の現状を一番よく知っているのは薬剤師だ。その薬剤師が医療の質を担保できるのはよもや処方せん枚数の基準だけとは言うまい。
 
  小生は何も処方せん枚数あたりの薬剤師制限を撤廃すればすべて片付くとは言っていない。これまでの医薬分業の流れをみて、いわゆる分業率が5割を超えようとしている21世紀になった今になっても、処方せんの数の呪縛にとらわれている者がいやになるくらい多いことに危機感を感じているのだ。
  先達が苦労してなんとか処方せん枚数だけは確保した。20世紀の分業は「医薬分業後進国」日本としては上出来だった。しかし枚数確保、処方せんの数にとらわれたものの見方をこのまま続けていくわけにはいかない。
  しかし実態はどうだ。厚生労働省の平成15年度の概算要求から「分業推進」が消えた。一方で、中央、地方の違いなく「保険薬局や処方せん発行枚数は増加し、比重増す薬剤師の役割」などとピントのはずれた談話を新聞等にのせて何の疑問も持たない薬剤師会の情けなさ。

 薬剤師数しかり、処方せん枚数しかり、数さえそろっていれば薬剤師もOK.医薬分業もOKでは、日本から薬剤師という職業が消えてしまうのは時間の問題ではなかろうか。
  まるで機械の歯車のごとく、ひたすら規制に安住し、自己主張もない薬剤師。そんな職業に未来を担う若い人々は魅力を感じるだろうか。

 薬剤師は独立した医療プロフェッションとして、いまこそ自律し、自立しなければならない。いかに重複投与チェックや薬歴管理をしてますと声高に言っても、小部屋で薬をせっせと作り患者に渡すだけの職業と国民から見られてしまってはおしまいだ。
  薬剤師が持っているにもかかわらず使い惜しみしているさまざまな能力を全開すべき時ではなかろうか。公衆衛生、衛生検査、24時間薬の相談、薬事国際貢献、種々の薬物治療ガイドラインづくり。やることはいくらでもある。ここ10年が勝負だ。

ご意見・ご質問を期待して居ります。
agri-info@machida2.co.jp

今日はこの辺で・・・

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『社長のボヤキ』
2002.9.17

今日は朝から大忙しである。
ひっきりなしに携帯電話が鳴り響く。話をしている最中に割り込み電話。切ると又、電話・・・。
早朝散歩が台無しである。かと云って、ムゲにはできない。
今度は、秋田県産米のカドミウム騒ぎである。後で知ったのだが、秋田県では早々に手を打った様である。今年の秋田県産米は、安心して食べられるらしい。
小生の唯一の楽しみは、自宅に近い弘前公園の早朝散歩である。たいていの二日酔いは、一時間の心地よい森林浴で見事に消し飛ぶものです。
本音は、何でこんなに農作物の安全性が騒がれるのか、理解に苦しい所である。農薬販売店に生を受けた小生にとって、農薬の害なぞ知る由もなかったし、臭いで(くさい・におわない)大体、危ないものと安全なものは区別できたんです。
ダイシストン、マラソン、ホリドール、D.P.T、B.H.C、ウスプルン、どれを取っても、猛毒であったんですナ。そして、小生はこれら農薬のドップリ散布された農作物をガッチリ食べていました。
薬剤師の小生が云うと変かも知れませんが、そんな大したもんではなかった様な気がします。ダイシストンのまいた土面をつっついた放し飼いのニワトリは、やはりダイシストン独特の臭気はあったものの、おいしかったと記憶しています。
健康を阻害するものであることはあるんだが、余り気にすると、それこそ何も食えなくなってしまうんじゃないかな。
昔は台所用合成洗剤すらなく、一番初めが『ママレモン』。これも使いすぎるとダメと云われたものです。いわゆる猛毒を水のみで洗って食べてたんです。
と云うことで、今回騒がれている所の無登録農薬『ダイホルタン』『プリクトラン』の残留性はいかなるものか、ちょっと調べてみました。

ダイホルタン、プリクトランの残留性について(農林水産省ホームページより)

1. 土壌への残留性
ダイホルタン、プリクトランはいずれも土壌中で急速に分解することから、土壌中の残留濃度は、比較的速やかに検出限界(ダイホルタン0.06ppm、プリクトラン0.5ppm)以下となると考えられる。

農薬名

土壌中半減期
土壌中濃度が半分になるのに要する期間

1年間の減少率

ダイホルタン

1.3〜18日

100万分の1以下

プリクトラン

10〜60日

100分の1以下


2. 使用された農産物への残留性
ダイホルタン、プリクトランはいずれも通常の水洗により作物表層の残留量の約6〜9割を除去することが可能とのデータがある。
また、これらの農薬はほとんどが果皮に残留しており、皮を剥くことにより、みかんではほぼ検出限界未満、ももでも大幅に残留量を低減することができるとのデータがある。

(1) 水洗による効果

 

 

作物名

水洗いによる除去率

ダイホルタン

りんご

57.4%

プリクトラン

トマト

97.4%

(2)皮を剥くことによる効果

(単位:ppm)

 

 

作物名

残 留 濃 度

果 肉

果 皮

ダイホルタン

みかん

<0.01

0.69〜2.10

も も

0.02〜0.33

94〜340

プリクトラン

みかん

<0.02〜0.03

0.69〜0.83

も も

0.08〜0.1

21.1〜44.4

これで見る限り、台所用合成洗剤で「キュッキュッ」と洗うと、ほとんど残留農薬成分はなくなる訳であります。まさか、リンゴ丸かじりでしか、それも洗わないで、皮剥きもしないで食べるなんて人はほとんどいない筈です。皮を剥いて食べたら、かなり安全性が高いと思われます。食物に厳密性を限りなく追求したら、全然何も食べるものがなくなってしまうと云うのが正解でしょう。
余り気にせず、ちょっとは気にして、ストレスNothing・・・です。
米国ではよくある話ですが、タバコを吸って『癌』になったから、国とかメーカーを訴えるってのがありますけど、日本ではカドミウム汚染、狂牛病その他色々ありますけど、そんなに農作物に対する訴訟問題は聞いていません。
農作物は、農薬がなければ計画的な収穫は出来ないんだよネ。
しかし、ダメなものはダメなんだよネ・・・。
マタネー!

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2002.9.16

 毎日各地から消費者情報が入って来ます。
国内では、ナフサクは「隠しとりでの三悪人」になってしまった様です。国が発表したもの、得体の知れないものには手をつけない消費者独特の発想であろうか。前にも書かせてもらったが人体に影響がないのに国内でなぜ悪い.....が小生の意見です。
無登録.....か、どうしても使う理由があるならば、いっそのこと尿素でもくっつけて製造し、農薬登録ではなしに新規肥料登録をして堂々と使用すればよいのかな〜。農水、厚労各省では何と云うかナ。危険ですからとは云えないだろうし「オモシロイ」だろうな...。

  • ひとくち知識

    • 農薬登録→

          • 臨床実験(LD50 慢性毒性etcデータ) 気絶する位の実験データを集積し、申請し許可を得る。このデータをそろえるのに数年費やし、経費も数億単位が必要とされる。

    • 肥料登録→

          • 農薬登録に比較すると比較的データ数は少なくても済む(臨床データ不要)数万単位で登録は可能。(少なくともナフサクはこの範疇に入ると思われる。)
            詳しくは、下記のアドレスをクリックして下さい。
            http://www.ffis.go.jp/sub7/sub2_1st/sub2_1st.htm

又々、リンゴを廃棄する由の情報が入って来た。
産廃扱いになるので、どこへ捨てたら良いかとの問合せである。「お役所が休みなので・・・」という話である。こんな大変なときに、係の人間を作って交代制で対応するのがノーマルだと思うんだけどネ・・・。役所ってのは、一体全体、誰の為にあるんだろう。
難民調査の時の外務省職員、パキスタン国内の日本大使館を思い出してます。大使館員が、「私達は労働者です。」って言ったのを思い出しましたネ。労働者には違いないんだけど、「誰のお金で暮らしているの?」と問いたい。「労働基準法ってのがありまして、その時間内で地域住民の為に働いています。」って云うんじゃないかな?
小生流ならば、緊急事態発生で昼も夜も関係なく、必死で納税者が頭を痛めているのに、『公僕』達は、都合の良い休みを取って、明日でないと対応できないか・・・。いっそのこと、役所も民間委譲してしまえば・・・?
農家がおかしくなれば、全部おかしくなるのに、こんなのはないよナ。
自分達に都合を合わせた『マニュアル』ばかりやってる。自分で自分の首をしめることになるのを感じてんのかな?感じてないからこそ、やるんだナ。
政治家の皆様が、選挙演説で必ず云う言葉の一つに、「地域住民の皆様の為に○○○夫は頑張ってまいります。どうぞ投票の際は・・・。」ってやるんだけど、こんな大変な時、何やってんだろう。議員の皆様のリーダーシップなんて全然出てこないんだよネ。リスクマネージメント講座なり、何なり勉強してからじゃないと、ちょっと投票なんて出来ないヨ。与党も野党もないよネ。あんだけ何だかんだ云ってた人が、この窮状についてコメントなしだもんネ。
青森県本年度産の勝負は、イイトコこれから2ヶ月・・・。頑張って下さいヨ。
あんまり無責任だと、地域住民は税金なんて払わなくなるヨ。ただでさえ、10月1日から老人医療費1割負担、来年4月から社会保険3割負担。おまけにボーナスから10倍の保険税。全く、庶民にとっては全く頭に来ることばっかりなのに・・・。
まあ、ただボーナスがまともに出る企業があればの話であるが、公務員の皆様はまともに徴収されることになるんだが・・・。
こんな時こそ、議員・公務員の知恵と発想で、一発ドカンとホームランを打てば、地域住民は拍手喝采するのにネ・・・。
今回のリンゴ騒ぎで、産地安・市場安になったら一番困るのは役所なんだよ。税収の計算が出来ないもんネ。連鎖的に景気が更に冷え込む訳で、企業もドボン、又々貧乏になって行くんだヨ。そしたら、リストラ、給料カットとなって行く訳です。
どうしたら、国民を肥らせて税金をうまく取ろうとしないのか、良く判らないのである。
少し多めに税金を無理して払っても、「アンタは偉い。特典をつけましょう」なんて考えない国だもんネ。そして、何に使ったか判らないではどうしようもないんだ。
小泉さんが『国民が喜んで納税できる大検討会』なんてやったら、大うけするのにネ。
見るもの、知るもの、ほとんどが政界のゴシップばっかし。少し目隠しした方が判り易いのに・・・。
リンゴ騒ぎも議論ばっかしの状態。「我々は血税を払ってんですヨ。解決策は?」って大きな声で叫びたいんだネ。
ホントに国民のことを少し考えて欲しいですナ。国民も国民で何で『むしろ旗』挙げないのか判らない。政治不信なら不信で、政治家を選ばなければ良い訳で・・・。
選挙の時、誰も投票しなきゃいいのにネ。「得票数0」なんてテレビから流れたら痛快だろうネ。
本業の時間となりました。ちょっと大変な調剤薬が出回っている様です。お医者様達と連絡を取る時間となりました。薬剤師の時間です。
今日はこの辺で....。

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2002.9.15

今年に入ってから、やたらと忙しい。
社員教育をサボっていたからと反省しきりである。教育は繰り返し繰り返し、継続的に行わなければどうにもならないことは知っているつもりだが、何しろ世相に教育が間に合わないと云うのが実情であろう。
アレもコレもやらなければ、それも「迅速」に結論を出し、巧みに結果を出さなければ、ある日突然「ドボン」となりかねない。
組織の歯車が機械的に動いていれさえすれば、良い時代は近年全くと云ってよいほど消失してしまったから・・・。小生はひたすら忙しいと理解している。歯車が意志決定して、動きを微調整したり、速度を早めたりしないと即座に「ドボン」なのである。
縦割り業務が非常に得意な社員が多いのも我が社の特徴であるが、5年程前より、横の糸を張って連携プレーを望んでいるのだが、どうもうまく機能しないのが、悩みのタネである。

ただでさえ、忙しい中に降って湧いてきたのが、「無登録農薬」騒ぎである。
メディアでは、使用した農家が悪い。リンゴを何トン廃棄したとか、安全宣言を出したとか出さないとか・・・。ウ〜〜ン、何か違うんじゃないですかナ。
板柳町の幼なじみより相談を受け、それこそ疾風の如く、大消費地を実際に調査して来たのだが・・・。このままでは青森県産のリンゴは全滅しますよ。県内で議論している問題と消費地が騒いでいる問題とでは、かなりの食い違いがあると云うことです。

県内での問題
  1. リンゴ生産に関わる問題
  2. 魔女狩り
  3. 農家救済方法

消費地での問題
  説得力のあるリンゴの安全性のみ。

騒ぎのあった地域の農産物に農家の誓約書をつけて「安全」とし、出荷した所、念のため検査したら「クロ」だったとか、南信州産のものから無登録農薬が検出されたとか、こんな時は何でも自分達と同等の立場に周囲を置きたがる「クセ」があるんですナ。
青森県の本年度産のリンゴを県民はどうしたいと云うのでしょう。
ただでさえ、デフレスパイラルの慣性的な不況に加え、青森県主産業の1つである「リンゴ」がダメになるのなら、経済は全く冷え切ってしまうと思われるのですが・・・。県政を司る人達は、国にすがればどうにかなると思っている方が多いと思われるのですが、どっこい日本国はそんなに甘くはないんじゃないでしょうかね。会社で云えば、倒産寸前ですよ。栄々と培ってきたリンゴ王国を、この問題で衰退させて良いものでしょうか。
手段はただ一つ、検査書を付けて安全であることを消費者にアピールすることです。
廃棄処分している写真を何枚載せてもダメです。

最も、県内の調査機関をほとんど山形県産農作物検査で10月まで抑えられている 「平和ボケ」した県民集団に、何を云っても始まらないのかも知れないですナ。
ヤレヤレ・・・。こんなに多種多様な果物が国内に出回っているのに、どうもまだ、「消費者に買って食べてもらう」のではなく、「売って食わしている」との思考が見え隠れするのですが・・・。
余り書くと「町田が動け」と云われそうです。
今日はこの辺で・・・。

 

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