『社長のボヤキ』
2004.4.1

日を重ねる程に夏が近づいてくる様である。津軽の初夏から盛夏といった風情か。
考えてみると、1700mくらいで居住しているのだから、丁度、岩手山の頂上付近と思えば良いだろう。
大使館の井上さんが、DDR事業のいわゆる産廃、銃の処理をしている場所を好意で見せてくれると云う。それが終了したら帰国である。
昨日は、UNHCRのフィリポ・グランディのブリーフィング、フリーディスカッション、カブール近郊およそ60kmくらい離れた村で『シェルター計画』の確認。JENとのコミュニケーション。盛りだくさんのスケジュールで、気がついたら夕暮れ間近であった。


後ろの戦車はカブールパトロール隊(2000人)UNHCR フィリポ・グランディ、ショウコさん、小生
仏軍   手前はUNHCR専用車         UNHCR2004 Afghan operater ブリーフィング

アフガン難民Just Arrived            アフガン国内危険物展示場(地雷不発弾など)

カブール近郊 デモライソ村 200家族    シェルターにはUNHCRが寄贈し証明プレート   UNHCR シェルター

この日の出来事は、余りありすぎるので、後日書くこととして、ヒンズークシ山脈がかすむ位の煙なのか何なのか判然としなかった、「ボヤケ」の正体は、「ほこり」「スイ煙」「排気ガス」の合体したものであると云う。舗装されていない道路の土ぼこりとは・・・。
イスラマバード、カブール共に物価が、最近とみに上昇しているそうな・・・。カブールは初めての土地なので、何の気なしに動いているが、JENのアスカさんが云うには、「200ドルしていた家賃が突然、500ドルになったり、食事が10ドルで済んでいたのが、急に30ドルになったり大変です」と話してくれました。
原因は、海外のNGOが大量に入って来ることと、支援がこれ又、急激に行われるからだそうです。帰国してから相関関係はもう一度考え直すとして、とにかく、物価が上昇しているのだそうです。
今日で終わりのインターコンチネンタルホテルにしても、9.11以降、メディアの連中が大量にカブールに入って来て、MAXでは、1部屋の値段ではなく、1人500ドルもしたそうな。朝・夕食付きとはいえ、給湯もなく、毛布1枚、ボロ儲けだったでしょう。
書き忘れないうちに、そうそう、ここは停電がしょっちゅうです。従ってバスルームには昔懐かしいローソクと、マッチが置いてあります。給湯も気まぐれで、フロントに電話すると、「今ちょっと機械が故障しています」「いつ出るの?」「明日の朝か、夕方か、それ以降になるやも知れません」全くもって、'インシャラー'の世界なのです。
そうそう、バスタオルその他がネズミ色になって、それこそ雑巾かケチッているのかなと思いきや、水質が悪く洗えば洗う程、ネズミ色に近くなるのだそうです。何を云っても、ブチブチ云っても、多少のことは許すことがここのルールです。
なぜならば、ここは「悠久の地カブール」なのです。


ここで、パキスタン首都イスラマバードと、アフガン首都カブールでのホテルライフの違いを少し書きます。

イスラマバードサリナホテル。
ヨーロッパ調でこれでもか、これでもかと豪華絢爛、食事も最高、ボーイ、フロントすべてがかなり厳しく躾られており、それこそ朝は小鳥のさえずりで目が覚め、夜は夜で民族音楽が奏でられ、それこそ王侯貴族のホテルライフが楽しめます。又、通信網がしっかりしていて、FAXその他、ビジネスセンターへ行くと、何でもOK。1人寝がわびしくなる位です。ただし、2年前位のホテルでは、停電あり、バスタブの給湯も途切れ途切れ、通信はガタガタ。エレベーターはゴトゴトでした。

カブールインターコンチネンタルホテル
西谷・中畑両氏によれば、「天国と地獄」たそうで、部屋のスリッパはないし、雑巾か使い古しかと思われるバスタオルあり、シャンプーリンスはなし、石鹸はあるけれど冷蔵庫はないし、電話もダメ。窓は亀裂が入っているし、窓は一重ガラス、従って、アザーンの声は良く聞こえるし、FAXのあるビジネスセンターはあってなきの如し、2年前のパキスタンです。
私はこの風情を楽しみに来たのであって、大満足であります。
ヒンズークシ山脈に日が落ちる様を見ていると、涙が出て来るんですナ。カブールの街並み。ウ〜〜ン、カブールです。
そんなに躾られていないボーイ。売店の売り子。全てが懐かしい。多分、今年戦争が起きなければ、ここはイスラマと同様に建て替えが確実です。見晴らしは良いし、高台だし、言うことはありません。ただ、散歩道にあるモスクとお墓、これは移動されるべきでしょう。
土葬の上に石が置いたり、クルスのお墓があったり、その先に黒い布を巻きつけている、きっと「肝だめし」に最高ですが、ゾッとします。
このホテルには、今回のタリバン政権をアフガンから追い出した北部同盟の英雄、「マスード」の写真でいっぱいなのです。カルザイの「無銃宣言」が功を奏してか、銃を持っている人は見かけません。
戦後の趣味をお持ちの方は最高です。ドアノブの静電気と停電の意地悪を除けば、ハッピーハッピー、オレンジがおすすめです。
私は毎日、ハッピーハッピー。柔らかすぎるベットと枕、これはいただけません。ついに床に毛布を敷いて、枕に下着を使いましたら熟睡でした。
この風情はあと1〜2年。ご趣味の方はお早めに・・・。


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